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初めてのお客様へ
マニアックな中古時計・
アンティークウォッチ 買取・修理・販売のお店
“ケイアイウォッチ” 女性店長のブログです
金子時計店の長女、
国家資格・2級時計修理技能士取得。
ノモスやエポス、オーガストレイモド、レビュートーメン、
オリエントなどのマニアックな時計、セイコーやオメガなどの
アンティークウォッチの買取が一番の喜びです。
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お客様に教えて頂いた時計に興味を持ちお話ししていたら
「お貸ししましょうか?」とおっしゃって頂いたので図々しくも送って頂きました。
ありがとうございます!
その時計は「DEFAKTO」
お察しの通りドイツ時計です。ドイツ時計の特徴がグッと詰まっています。
実際に手にした時の第一印象は時計本体のケースの作りが良いこと。
「画像で見るよりケースがずっしりしっかりしてる!」でした。
それもそのはず、調べてみるとDEFAKTOのオーナー兼製作者はドイツのケースメーカーイックラー社の4代目でした。
彼のお名前も「ラファエル イックラー」さん。
1924年にドイツで時計ケースメーカーとして始まったイックラー社は家族経営で今彼のお父様が3代目として経営されています。
日本では、イックラー社の時計ブランド「リメス」がよく知られており
もう少しマニアックにいくと「アルキメデ」もイックラー社の時計ブランドです。
ドイツ時計ブランドは、SUG社かイックラー社どちらかのケースを使っていると言われています。
文字盤はいわゆる引き算の美学。
ドイツの言葉「weniger aber besser」 =より少なく、しかしより良くを体現しています。
機械は自動巻きだとETA2824かミヨタ9015、クォーツはロンダが入っています。
ETAでも定価は85,000円くらいです。すごく良心的です。
DEFAKTO社は、ほぼ彼一人で運営されています。たまに2歳の娘さんが手伝ってくれるんだとか(笑)
デザイン、仕上げ、組み立て、防水検査、精度チェック、配送、お客様サービスなど全て彼が行なっています。
そのため、一点一点に思い入れがあると言っています。
私は彼を見たとき、第二のシャウアーだと思いました。
自動巻きの裏蓋は基本裏スケですが、このお客様は普通の裏蓋に替えて頂いたそうです。
個々の要望に柔軟に対応してもらえるのも小さなメーカーの良さでもあります。
メッセージ「There is always light behind the clouds.」(意訳:止まない雨はない)が印象的です。
裏蓋に名言を掘るっていいアイデアです。
彼のインタビュー記事で可笑しかったのが、彼が作った時計を見てお祖母様が
「もうみんな時計持ってるのに、誰がこの時計要るの?」
とおっしゃって、彼は全ての人を喜ばせることはできないんだと悟ったんだそう(苦笑)
私もケイアイウォッチを始める時、ホームページを作っていたら母に言われました。
「誰もそんなに時計買わんよ、そげん売れんよ。」
一族に一人は否定的な(よく言えば現実的?)な人がいるようです。
全部で7種類、最近流行りのブロンズケース仕様もあります。
おもしろいのは全ての時計日付なし、さらにINKOGNITOという、ロゴなしバージョンがそれぞれのモデルにあることです。
7種類とも、ロゴありかロゴなしか選べます。
数年前代理店がついたこともあるようですが、今は日本に輸入されていません。
代理店がついて、日本に輸入される日が待ち遠しいです。
https://www.defakto-watches.com/
そして今週このお客様に売却頂いた時計もまた珍しいものでした。
珍しい時計ばかりお持ちのお客様です。こちらは、スイス製のヤンターとゆう時計です。
確か建築士かデザイナーであるローランド ケラー氏によって設立されたブランドで、1998年〜2004年まで作られました。
全てのヤンターブランドの時計は、12時位置に12、6時位置に24があるGMT表示です。
TiCTaCが当時輸入していました。
特にスイスやドイツには日本に入ってきていないブランドや、私たちが知らない時計がまだたくさんあります。
なので、20代前半ピチピチだった頃の夢は「時計の輸入業」でした。
*雑誌ドイツ腕時計 2017年10月発行より
DEFAKTOもちゃんと載っています(^^)
ここ最近、ショップ制の普及や、時計ブランドの日本法人設立が増えたことにより
問屋さんや輸入代理店の中には、新しく取り扱う日本未入荷のブランドを探してらっしゃる所も増えています。
これからどんな魅力的な時計が入ってくるのか楽しみです。