小さな時計屋のアラフォー女性店長 金子のブログ

マニアックな中古時計・アンティークウォッチの買取・販売・修理のお店ケイアイウォッチ&金子時計店。
セイコー雫石のオーダーメカニカルウォッチのベースムーブを掘り下げてみました。
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    セイコー雫石時計工房にメカニカルウォッチオーダーシステムがあります。

    機械式ムーブメントが4種類あり、たまたま見た時計職人の主人が

    「あぁ、新たなムーブメント開発したわけやないんやな。」

    とつぶやいたことからまずそのベースムーブが気になって調べてみました。

     

    ー鏡亶盖藥計工房が誇るクロノグラフムーブメントNC77。

     

     

     

     

    これはセイコーキャリバー6S37ムーブメントがベースでしょう。

    一般的にクロノグラフにパワーリザーブまで載ると不具合がでる可能性が増えますが

    これはセイコー製なので修理も部品も安心。

    部品の関係で、スイス製の後付けパワーリザーブに泣かされることが割とありますので、当分部品の心配が不要なのはポイント高いです。

    しかもピラーホイール。

    ピラーホイールは、その複雑な形状ゆえに高い精密加工技術が要求されるため、メカニカルクロノグラフの中でも高級機種にのみ採用されているものです。

    タグホイヤーがこの6S系の部品を買ってチューニングしCal.1887として搭載した過去があります。

     

    ▲戞璽轡奪な機能に特化した3針カレンダームーブメントND75。

     

     

     

    石数26石・パワーリザーブ50hからグランドセイコーキャリバー9S55かと推測します。

    72時間パワーリザーブの後継キャリバー9S61はグランドセイコーにのみ使うために、あえてこちらは9S55なのでしょう。

     

    デュアルタイム機能など多くの機能を搭載したムーブメントNC56。

     

     

     

     

    ベースムーブは4S27。

    以前はブライツなど比較的お手頃な価格のモデルにも入っていましたが

    だんだんクレドールなどの高級モデルにしか搭載されなくなりました。

     

    っ2針に小秒針を搭載した雫石高級時計工房のラインナップの中でも最も薄いムーブメントNB98。

     

     

     

     

    ベースムーブはキャリバー6898。

    基本的にクレドール用に開発されたムーブメントです。

    国産最薄のメカニカルムーブメント、薄さ1.98mm。

    一人の熟練時計師が一日にわずか1個から2個しか組み立てられない少量生産の手作りムーブメントです。

    私がこの中から選ぶとすればこの機械です。

     

    と、ここまでが直接的なベースムーブメントとなります。

    深い歴史のあるとい離戞璽好燹璽屮瓮鵐箸鮠し掘り下げてみました。

     

    Cal.NC56

    さかのぼること1970年代に生産された主にキングセイコーに搭載された52系ムーブメントが大元です。

    毎時28,800 振動の8 振動仕様、カレンダー付きで3.9亳。

    当時の日本クロノメーター検定協会からクロノメーター認定されていた高性能ムーブメントです。

     

    Cal.5246A

    Cal.4S15

     

    その52系が1990年代前半に再調整され4S系ムーブメントとして復活しました。

    4S15や4S35などの3針4S系が生産終了になったのはコストがかかり過ぎるからと言われるくらい

    手が込んだ高品質なムーブメントでした。

    1990年代〜2000年代初頭の4S系ムーブメントが入ったモデルは、

    アルピニストやローレル、上記のブライツなどほとんどのモデルにプレミアがついています。

     

    Cal.NB98

    こちらもさかのぼること1969年に誕生した68系が大元のムーブメントです。

    1970年代を中心にクレドール及びセイコーの数多くの高級機械式時計に搭載されました。

     

    1977年のカタログ。

     

    わりと中古がでていて一番身近に感じるモデルは、2000年頃に発売されたCal.6810搭載のメカニカル。

     

     

    Cal.NB98の直接的なベースであるCal.6898とCal.6810のような68系とは、

    秒針の有無や形も違い全く違うムーブメントのように見えますが基本の基本は同じです。

    2針68系の輪列の並びを反転させてスモールセコンドをつけ、形を丸にしてあります。

    スモールセコンドの部品に無理や無駄がなくすっきりしており、それにより壊れにくいかと思います。

     

    私は、セイコーはこのように古い機械を大事に大事に温めながら

    調整、改良しながら使い続ける姿勢が素晴らしいと思います。

    時計師の主人は全く新しいムーブメントの開発に期待したいと言います。

    | 金子時計店&ケイアイウォッチ | 時計について | 14:56 | comments(0) | - |
    グレイテストショーマンと、頭をよぎった時計
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      昨夜、こんな感じでグレイテストショーマンを観てきました。

       

       

      ネタバレになるかもしれませんので、これからご覧になるご予定の方は観終わった後にお読みください(^^ゞ

      映画館で映画を観るのは数年ぶりだったのですが...出不精夫婦を動かした動画がコレでした。

       

       

      ふくよかな女性が主題歌を歌うキアラ・セトル。

      彼女はプロのミュージカル女優ですが

      「この曲に抜擢されたとき怖くて逃げ出したくなった。

      今ももがいている、なぜならこの曲を歌うためには今まで目を逸らしていた自分の内面と向き合う必要があるから。」

      と後のインタビューで語っています。

      この動画は、この曲を歌うことが怖かったキアラが初めて人前で歌ったシーン。

      あまりにもできすぎていて仕込み?と思ったくらいですが

      仕込みでも自然なものでも人の感情を揺さぶる動画に間違いありません。

       

      This Is Me.日本語歌詞

      *グレイテストショーマンオフィシャルパンフレットより。

       

      私は暗闇を知っている

      言われた「隠れてろお前など見たくない

      私の傷は恥だと知った

      言われた「消えろ 誰もお前など愛さない」

      でも心の誇りは失わない

      居場所はきっとあるはず

      輝く私たちのために

       

      言葉の刃で傷つけるなら
      洪水を起こして、彼らを溺れさせる

      勇気がある 傷もある

      ありのままでいる

      これが私

       

      気をつけろ 私が行く

      自分でたたくドラムが伴奏

      見られても怖くない 謝る必要もない

      これが私

       

      心に弾を受け続けた

      でも撃ち返す

      今日は恥も跳ね返す

      バリケードを破り 太陽へと手を伸ばそう

      私たちは戦士

      戦うために姿を変えた

      心の誇りは失わない

      居場所はあるはず

       

      噂通りメッセージ性が強い映画でした。

       

      1800年代に実在した興行師、P.T.バーナムの半生をベースにしたストーリー。

      彼が作ったサーカスに所属する、世間から差別され侮辱され奇妙だと言われ疎外されていた人たちが

      自分の居場所や自信を確信し、自己受容するシーンにこの歌が使われています。

       

      「誰もが特別な一人。」

      「他の人がどういおうと関係ない。ありのままの自分自身でいる。」

      「自分を認めるのは自分。」

      「本当の自分を見せることを恐れない。」

      *グレイテストショーマンオフィシャルパンフレットより。

       

      それを証明するかのように地位も名声もお金も美貌もあるオペラ歌手が

      「Never Been Enough〜」(満たされない)と歌う姿が対照的に映されていました。

      人がうらやむようなものを何もかも手に入れたって、自分で自分のことを認められなかったら何もないも同然です。

       

      何もかも失くしたバーナムに、それまで酷評していた娯楽評論家がバーナムのサーカスを

      身体の大きさも、見た目も、生まれも年齢も性別も人種も関係ない、ひとつのリングに上がって平等になる。

      まさに「The Cereblation Of Humaniy」と言って高評価しました。

      この言葉がとても印象的に残っています。

       

      そしてこの流れは現実の世界にも現れてきています。

      先日のアカデミー賞授賞式。

      主演女優賞を受賞したフランシス・マクドーマンドが受賞スピーチで「Inclusion Rider」という言葉を残し話題になっています。

      Inclusion Riderとは、俳優が出演契約をする際に

      その作品のキャストや制作スタッフの中に女性や有色人種、障がいがある人といった

      立場の弱い人々をある程度の割合で含めることを求める条項のことを指す言葉で

      役者が自分の出演作にキャストとスタッフの多様性を約束させることができるというものです。

       

      近年よく聞くキーワード「多様性」

      それは、映画やエンタメ界、アメリカだけではなく

      今まで人と同じでいるべき、人と同じでいることがいいと言われてきた日本にも

      金子みすずさんの「みんな違ってみんないい」の世界が少しづつやってきています。

      今までネガティブに捉えられていた、隠すべきだと考えられていた部分もさらけだし

      ありのままの自分を受け入れて、ありのままの他者も受け入れてそれが個性として輝く世界。

      それはLGBTの方たちの結婚が認められたり、フリーランスという職業形態の方たちが増えたり

      いろんな方面で少しづつ変ってきているように思います。

      これからどう変わっていくのか、どんな住みやすい世界になるのか、想像するとワクワクしてきませんか?

       

      この映画を観て頭をよぎった時計がボールウォッチのトレインマスターです。

      19世紀はまだ懐中時計の時代で、主人公のバーナムも蓋つきの懐中時計で時間を見るシーンが一、二回ありました。

      1800年代からアメリカで活躍していた時計として思いつくのがウォルサム、エルジン、そして当時鉄道時計だったボールウォッチ。

      設定の中でバーナムも鉄道会社で少し働いていたのでボールウォッチの印象が残りました。

       

      ボールウォッチ鉄道

       

      ボールウォッチ懐中時計

       

      その当時の鉄道懐中時計をベースに作られた時計がトレインマスターです。

       

      ボールウォッチトレインマスター

      ボールウォッチトレインマスター

       

      偶然かもしれませんがボールウォッチのミッションの中にも

      「自分らしくあれ。誰かの真似をするのではなく、自分自身のベストを目指そう。」

      というのがありました。

      今も昔も人間にとって大事なことはどこまでも「自分らしく。」なのかもしれません。

      | 金子時計店&ケイアイウォッチ | 時計について | 00:01 | comments(0) | - |
      時計屋の嫁の厳しすぎる選定
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        金子時計店の2代目と3代目(私の祖父)がやっていた時代の、祖母が数百回と話してくれたお話しです。

        3代目のお嫁さん選びは完全に2代目店長の奥さんが握っていました。

         

        金子時計店2代目店長。

         

        まず、2代目店長の奥さんは「信心深い人に悪い人はいない。」という考えでお寺に通い、

        そこに来る若い女性たちを品定めしました。

        祖母は熱心な浄土真宗信者で、しょっちゅうお寺に行っていました。

        私が小さい頃は住職さんの説法をカセットテープに録音し、家でも常に聴いていました。

        孫たちも毎朝仏壇に手を合わせ、念仏は一冊記憶するくらい唱えさせられました。

        それくらい信心深くいつも仏さんと一緒と言って幸せそうに笑っていたので、金子時計店の奥さんの目にとまったのでしょう。

        祖母は奥さんもお寺に通われていたことで信頼し、結婚後もお寺に行かせてもらうことを条件に結婚しましたが、

        結婚が決まってから奥さんは一度もお寺には行かれなかったそうです^^;

        そうです、奥さんはお嫁さん探しのためだけにお寺に通っていたわけです((+_+))

         

        少なくとも当時の奥さんのあの考えが間違っていなかったのか、見る目があったのか、

        2代目の奥さんが祖母を選んだのは正解だったと、祖母を見ては思いました。

        とても正直で優しくて欲がない家庭的な女性だったからです。

         

        2代目がやってた頃の修理料金表。大正15年。

         

        代々伝わるセイコー特約店の看板。

         

        晴れて3代目・良雄と嫁・千代子が結婚し金子時計店で同居生活が始まりました。

        同時に、先代による嫁としてふさわしいかどうかの次なる選定も始まりました。

        3代目の嫁が「欲深くないかどうか」ということが先代の奥さんは気になりました。

        お店には貴金属、時計、現金と金目のものが多く置いてあるため、それを持ち出しやしないかという恐怖心があったようです。

        祖母が家中掃除していると、毎日のようにあちらこちらに千円札が置かれていたと、

        それは先代の奥さんがわざと置いていたのもで、それを報告するか黙って取るか試していたんですね。

        正直者の祖母はそれを知ってか知らずか、

        「あら、こんなとこに千円札があったですよ〜」と言って義母に毎回渡したのだそうです。

        おそらく一度でも渡さないことがあれば即効家を追い出されていたでしょう。

         

        次に奥さんが気になったのが「体が弱いこと。」

        商売人の嫁として強い身体でないといけないという考えでした。

        祖母が具合が悪くて朝寝込んでいると、「朝だ朝だー!!」と言ってバンバン戸を叩いて起こされたと(+o+)

        (今だったらパワハラか何かと言われそうですが・・)

        素直な祖母は「どうしたら風邪ひかんようになりますか。」と義母に訊き、

        「お風呂で身体中タワシでこすると身体が強くなる。」と言われ、

        どんなに寒い日も毎晩硬いタワシでシャーシャーとこすっていました。

        そのおかげで滅多に病気しないと義母に感謝すらしていました。

         

        そんな厳格な2代目の奥さんが一番喜んでくれたのが、祖母の三男(私の父)が時計屋をする!と宣言した時だそうです。

        長男も次男も「時計屋は好かん!」と言って家を出て行き後継者に悩まされていた時に、

        遊び人の三男が突然、俺が時計屋する!といったもんで、「あん時はそりゃぁ喜ばれたよ〜」と嬉しそうに言っていました。

        あまりにも喜んで、三男に当時欲しがっていた高価なステレオを買い与えたくらいでした。

        祖母の推測だと三男の私の父は勉強をしたくなかっただけなのですが、

        それでもちゃんと丁稚奉公へ行き数十年間時計屋をやって父は立派に約束を果たしています。

         

        祖母と20歳の頃の私。

         

        妹たちも私も耳にタコができるくらい聞かされた話ですが、祖母の口から義母の悪口や不満、愚痴は一度も聞いたことはありません。

        祖母は私が知る中で一番強い女性です。

        | 金子時計店&ケイアイウォッチ | 時計屋について | 20:38 | comments(0) | - |
        うちが世界最古の時計ブランドです!いや、うちがうちがうちが・・
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          先週フィリップドゥボワーについて調べているとき、流れで世界最古の時計メーカーについて書かれている記事がいくつかあり大変興味を持ちました。

          世界最古の時計メーカーと言われているのが皆様ご存知の通り「ブランパン(創業1735年)」と「ヴァシュロン・コンスタンタン(創業1755年)」。

          「世界最古の時計ブランド」で検索すると、どちらもヒットします。

          また、どちらのメーカーも「弊社が一番古い時計メーカーです。」とおっしゃっています。

          海外ではそこにフィリップ・ドゥボワーが加わり、その3社で「最古の../Oldest..」という修飾語が使われていました。

          ブランパンやヴァシュロンなどのメジャー時計メーカーについてはすでにたくさんの記事がありますので、今回私はフィリップ・ドゥボワーについて調べてみました。

           

           

           

          まず最古と申しますと、ジョン・ハリソンのようにブランパン以前から存在するメーカーがあると言われることがありますが、

          最古の・・と名乗るにあたって「創業年が証明可能な現存するブランド」という定義があるようで、その時点でブランパン以前のメーカーは当てはまらなくなります。

           

          40年くらい前からスイスでもどこが最古の時計メーカーかという論争がおこなわれていました。

          実際に、ドゥボワー(正確にはドゥボワー社の前身)は1751年に時計の製造を開始したことが証明されており、

          ヴァシュロンよりも4年も古いという主張で、約30年前にヴァシュロンと法的な争いになっています。

          一時期ヴァシュロンがドゥボワーに世界最古の・・という修飾語を使うことを禁止しようとしましたが、

          争いの結果、ヴァシュロンはドュボワーが「世界最古の時計製造工場をもつ時計メーカー」という肩書を使うことを許容するよう言われました。

           

          そこでなぜドゥボワーのロゴが1785となっているのか疑問がわきますよね。

          いや私も言われて初めて気がつきましたが・・(^^ゞ

          これは、前述で正確にはドゥボワー社の前身と書いたこととつながります。

          ドゥボワー社現CEOのThomas Steinemann氏によりますと、

          「フィリップ・ドゥボワーの父であるMoise Dubois氏が1743年に時計ビジネスを開始したがその時はディーラーとしてだけだった。

          彼は1751年に時計製造所を作って時計の製造を開始したが、1785年に息子たちが正式にフィリップ・ドゥボワーを会社として登録したため、弊社は1785年が創業年となっている。」

          ということです。

           

          その1751年に時計製造所として使われた建物は今も残っており、ドゥボワー一族によって所有されています。

          今は主に宿泊所として使われているそうで、ここに一度泊まってみたい!という夢がひとつ増えました(*^_^*)

          これがその建物。Du Bois 1785 という文字があります。

          この時計製造所とドゥボワーとの関連が認められた=世界最古の時計製造工場を持つブランドとして認められたのです。

          フィリップ・ドゥボワー

          ドゥボワー公式動画。建物の中一部と資料の一部が公開されています。

           

          世界最古の肩書をもつ時計メーカー3社は今以下のように住み分けられています。

           

          ・時計ブランドとして一番古いのがブランパン。

          (Oldest Swiss Wstchmaking brand, 1735)

          *とにかく創業自体が古い。

           

          ・時計製造メーカーとして一番古いのがヴァシュロン・コンスタンタン。

          (Oldest Swiss Watch Manufacture, 1755)

          *ブランパンは一時休眠会社となっていますので、創業から現在まで時計を製造し続けているブランドとして一番古い。

           

          ・時計製造工場として一番古いのがフィリップ・ドゥボワー。

          (Oldest Swiss Watch Factory, 1785)

           

          どれかひとつを最古時計メーカーとして選ぶとすれば個人的にはヴァシュロンでしょう。

          何にしてもし続ける、継続するというのが一番大変で難しいと思うからです。

           

          肩を並べるくらい古い時計ブランドと言えば「ファーブル・ルーバ」があります。公式には創業が1737年。

          ファーブル・ルーバもクォーツショック時代、曖昧な時期がありヴァシュロンのようにし続けているとは断言できず、

          創業はブランパンより2年後ということで、世界で2番目に古いブランドと言われています。

          ファーブルルーバ公式サイトにもそう書かれています。

          1718年創業とも言える資料もあるようですがその資料が公式なものでなかったのか、

          ドゥボワーの1751年が認められなかったように1718年が認められなかったのか公式な創業は1737年とされています。

           

           

          この論争を見ていると、これだけのブランドが世界最古の・・という肩書を欲しがるということは、

          世界最古の・・という肩書がいかに魅力的で、マーケティングやブランディングにおいて有効かかがわかります。

          金子時計店も何かないかなぁ・・笑と考えてしまいました。

          最古はないとして、現存する時計店で日本で何番目?いや何十番目?に古い時計店になるのでしょうか?

          | 金子時計店&ケイアイウォッチ | 時計について | 14:33 | comments(0) | - |
          謎を解く鍵はダービー&シャルデンブランの女性元社長?
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            かなりレアなコモール(Comor)の時計が入荷しました。

            日本ではフィリップデュボワ&コモールとしての方が知られています。

            コモールの時計について詳しく知りたくなり調べているとある意外な接点を知りましたが、

            情報が少なく謎も残る結果となりました。

             

             まずコモール(Comor)という時計について。

            コモールの創始者アドルフ氏がかかげたコモール社の社訓:

            細かく優れた技術を犠牲にして手抜きな製作や簡単な方法に逃げるな。

             

            1969年 アドルフ エル ベンツ氏(Dr.Adolf L.Benz 1924-1992)によって設立。

            1992年 アドルフ氏の死後、

            後にダービー&シャルデンブランの社長となるシネッテ・ロベール(Cinette Robert)が全株購入。

             

            2009年、シネッテ・ロベール氏ご本人のインタビュー記事で、1992年にアドルフ ベンツ氏が亡くなったことにより、

            以前働いていたコモールの株を全株購入したと書いてあります。

            アメリカの情報によると2009年にコモールを買収と書かれている記事もありましたが、

            これはご本人が受け答えされているインタビューなのでこれを事実として受け取りました。

            また、ダービー&シャルデンブランを売却され時間があるので、

            コモールにあるたくさんの古い在庫を自分のペースで修繕したいともおっしゃっています。

            古い在庫はシネッテさんが自由にできたようです。

             

             

            シネッテ・ロベール

             

             

            別のインタビュー記事では1985年にマセイ ティソを辞めてビンテージウォッチビジネスをやり

            1995年にダービー&シャルデンブランを買ったと

            また、コモールの株を買ったであろう1992年もビンテージウォッチのビジネスをされていてしかも好調だったと書かれています。

            こちらの記事ではコモールに触れず。

             

            コモールとダービー&シャルデンブランは以前からも関わりがあったようで、

            コモール×ダービー&シャルデンブランの時計も作られています。

             

            コモールのことを調べていて偶然にもダービー&シャルデンブランを購入しCEOとなったシネッテ ロベールさんがコモールのオーナーでもあった事実を知りました。

            1995年、ドゥボワー社がコモール社とビューレン社を買収しドゥボワーとの三社の販売を任せる企業、シュワイザー・ウレン社を立ち上げました。

            もしかしたらその時にシネッテさんは株を手放したのかもしれません。1995年はダービー&シャルデンブランを購入した年でもあるのでつじつまが合います。

             

            コモールも入ったシュワイザー・ウレン社は希少価値の高い限定時計を作りだすことで時計コレクターさんたちの間で評判となり、

            日本では石岡商会さんを通してフィリップ・ドュボアとコモールが輸入されました。

            今回入荷した時計も石岡商会さんを通して販売されています。

             

            コモール

            *ミステリアスなコモールの時計。

            これと全く同じ作りで文字盤デザイン違いの時計が

            フィリップ・デュボワーからも発売されています。

            ↓デュボワー社によってオークションにかけられたデッドストックの金額が約35万円。

             

            ダービー

            *当時教科書のように読んでいたダービー&シャルデンブランのカタログ。

            小冊子みたいで内容濃いです。

            このクッションケースのもモデルを本気で買おうと考えてました。

            *今もほれぼれするフィリップ・デュボワー

            ラジューペレCal.736.7。

             

            あまり馴染みのないコモールという時計と、2000年代、個性に惹かれたダービー&シャルデンブラン、

            金子時計店の在庫を見ては「なんて美しい時計なんだろう。」と心酔していたフィリップ・ドュボワー。

            当時、全く接点がないと思っていた3つのものが点と点で繋がりました。

            スイスではこのように時計メーカー同士の株式売買や買収などが盛んで、わりと近いもの同士行われているそうです。

            | 金子時計店&ケイアイウォッチ | 時計について | 23:52 | comments(0) | - |
            羽生結弦選手に着けて欲しい時計
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              羽生結弦選手金メダルおめでとうございます!ご活躍大変素晴らしく感動しましたキラキラ

              お若いのに並々ならぬ信念と強い精神力と勇気がおありで、日本人としてとても誇らしく思います。

               

              たくさんの思いを込めてメダルを取りにいった。

              順風満帆だったらメダルは獲れなかった。

              痛み止めがなければ、

              到底飛べる状態ではなかった。

              スケートを辞める気はない。

              4回転アクセルを目指す。

              プーさんは森にかえす(冗談)。

              「ほんとのほんとの気持ちは、嫌われたくないってすごい思う」。

               

              羽生選手の一言一言から人間らしさや誰もが持つ弱さ、それを何重にも上回る強さがこもっていて、

              彼の正直さ故にストレートに自分の心に突き刺さってきます。

               

              そんな羽生選手を見てジンジンくるものを感じながら・・

              ここは時計屋なので、テレビを見ながらそんな羽生結弦選手にぴったりな着けて欲しい時計を考えてみました。

              当店が羽生結弦選手に提案する時計、何だと思われますか?

               

              まず羽生結弦選手がプライベートで着けてらっしゃる時計を検索すると、ベーリングの赤文字盤がヒットしました。

              チタン製で品質が良く、文字盤が赤というのが羽生選手のスケートに対する情熱を表しているようです。

               

               

              私服を検索してみてもカジュアルな格好をされていることが多いようで、

              ということで当店が選びましたのが、セイコーブライツ8L21自動巻き SAGL003 です。

              2004年に発売されたモデルで既にディスコンです。

               

              *セイコー2004年カタログより。

               

              なぜこれかと申しますと、まず世界の羽生選手には、同じく「世界の」と修飾語がつくセイコーをぜひ着けて頂きたい。

              それから、フリーの演技のテーマが「陰陽師」で古典的なイメージがあるため、自動巻きかつ古典的な琺瑯文字盤がいい。

              しかしまだお若いため、カジュアルな雰囲気がお似合いになる。

              カジュアルなセイコーの琺瑯文字盤と言えば、このブライツ!となった訳です。

              スカーゲンと同じくチタン製というのもポイント高く、

              機械もセイコーの上位機種である8L系で、中身もしっかりした羽生選手とリンクします。

               

               

              セイコーブライツカタログ

               

              また、ブライツのコンセプトやターゲットともバッチリ合っています。

              知的好奇心が旺盛で、本質を見極める目と自分らしいスタイルを大切にする大人の男性。

              羽生選手は、心理学や競争というメンタリティについても勉強されている知的好奇心も持ち合わせたアスリートです。

              BRIGHTZ=BRIGHT(聡明で輝いている)、Z(追及、あるつづけ)を組み合わせた造語。

              羽生選手自体がまさに聡明で輝きながら追及し続ける男性であり、絵に描いたようにブライツが描いているターゲット像そのものです。

               

              セイコーブライツ自動巻き

               

              セイコーブライツの広告は過去に、ダルビッシュ有投手、大谷翔平投手、現在武藤嘉紀選手と、

              アスリートの方が採用されることが多いため、いづれ羽生選手が選ばれないか、

              もしくはブライツ×羽生結弦選手コラボモデルがでないかなと期待しています。

              羽生選手のこれからのご活躍にも期待しています!

               

              最後に・・この時計が欲しくなられた方へ笑

              廃番なので基本的にUSEDでしか買うことができません。

              定価は15万円+税ですが、以前より人気が高くプレミアがついてUSEDでも定価くらいの金額で販売されています。

              できるだけ安心して購入できるように、保証がついた委託販売のお店や中古時計店を探されてみてください^^

              国産なので今後のメンテナンスは安心です。

              チタンなのでキズが気になって研磨されたい時に少々手こずるかもしれません。

              チタンの研磨ができる業者さんは限られており料金設定も高めなはずです。

              ブレスのタイプをお探しの方はブレスの長さにもお気を付け下さい。

              セイコーにはもうコマが残っていない可能性が高いです。

              (数年前に問い合わせした時最後の3コマと言われた記憶があります。)

              | 金子時計店&ケイアイウォッチ | 時計について | 13:48 | comments(0) | - |
              ヘルムート・ジンさんに追悼の意を表して〜Sinnとの思い出
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                2018年2月14日にSinnの創業者であるヘルムート・ジンさんがお亡くなりになりました。101歳でした。

                 

                Sinnヘルムート・ジン

                 

                この訃報でショックを受けたのと同時に、20代の頃のSinnとの思い出がぶわぁっとよみがえってきました。

                24歳、福岡の時計店で働いていて頃、Sinnの時計に魅せられて103を買ったことがあります。

                当時のこのカタログを見て選びました。

                大きさとか質感とか関係なく(値段は少し関係しました^^;)Sinnの時計哲学に心奪われて、

                ただただSinnの時計が欲しいと思い試着もせずに購入。

                案の定女性には大きすぎるくらいでしたが、革ベルトに穴を開け手首からはみ出るくらいのSinnを毎日着けて喜んでました。

                時計店に行けば「女性でSinnって珍しいですねぇ、かっこいいですねぇ。」と言って頂き、それがとても嬉しくてそれを言われたくて、Sinnを着けて時計店めぐりをしていた記憶があります(^^ゞ

                東京に引っ越して受けた時計店での面接。

                『好きな時計はジンです。』

                と履歴書に書き、Sinnをつけて面接に行きました。

                「Sinnが採用の決め手だったよ。」と後々店長が話してくれました。

                *SinnをJinnと書いていたようで、面接でスペルミスを指摘された時は「落ちたー!!」と思いましたが(>_<)

                 

                Sinn103

                 

                毎日毎日このカタログを見て、こんな写真を見て興奮していました(^^ゞ

                 

                Sinnカタログ

                 

                その時計店で働いている時。

                当時付き合っていた今の主人がSinnの時計を買いに来てくれました。

                おそろいでSinnの時計が欲しいのと、私の売り上げのためにも・・と言って仕送りなしの貧乏学生だったにも関わらずバイト代をためてSinnを買ってくれました。

                それがこのSinnです。昨日思い出に浸りたくて主人のSinnを借りて出かけました。

                いつ見てもシュッとしててかっこいい。

                 

                 

                ジンさんは90年代半ば頃Sinn社を売却し、ギナーンというブランドを立ち上げました。

                Sinn/ジンさんの時計哲学がここでも引き継がれています。

                パイロット時代の経験と万感の思いを込め、「全力で今を生き抜く男たちのために」時計の本質的価値を追求した『GUINAND』をジンさんは亡くなる直前まで作り続けていました。

                ジンさんの100歳を記念して制作された時計も発売されていました。

                 

                ヘルムート・ジンギナーン

                 

                ギナーン限定

                *出典 南雲時計店

                 

                インタビューにおいてジンさんはこう答えられたそうです。

                「ジン氏の時計には、他にはない強い想い(魂)が込められていると言うか、祈りのようなものを感じます。あなたは、なぜ今もなお時計を作り続けているのですか?」

                「時計作りは我が人生と我が情熱の形なのです。」 

                 

                お亡くなりになる数日前にたまたまSinnの244tiをアップして、すぐにご購入いただき喜んで頂けたのも、いちSinnファンとしてSinnとご縁がある証拠であり、虫の知らせだったのかもしれません。

                「時計と人生への情熱を失うなよ」と、最後にジンさんからメッセージをいただけたような気がしています。

                 

                Sinn244ti

                 

                ■パイロット〜時計作りへのジンさんの人生は、このサイトが一番良く書かれています→http://www.guinand-watch.jp/about2.html

                 

                ■クロノスの広田さんの記事も別の広い目線から書かれておりグッときます→https://www.webchronos.net/blog/18828/

                 

                | 金子時計店&ケイアイウォッチ | 時計について | 14:12 | comments(2) | - |
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                  ・・タイトル、偉そうに聞こえたらすみません(汗)

                   

                  「時計を通して人とのつながりを持つのは手段です、ではそれを使ってどんなことをしたいですか?

                  手段と目的は違います・・・・」

                   

                  時計をご購入いただいたお客様といろいろお話しさせていただく中で、ある日このようなことを聞かれました。

                  それまで恥ずかしながら手段と目的、ビジョンについて考えたことがありませんでした。

                  ただ自分がいいと思う時計を仕入れさせてもらい、それらの時計がお好きな方への橋渡しをするのが大好きで、

                  だからどれだけマニアックな中価格帯の時計を仕入れられて、

                  どれだけお客様に安心してもらい、時計の良さを伝えられるかが勝負で、

                  言ってみたら時計を売買すること自体が目的になっていたことに気が付きました。

                   

                  手段と目的・・?その言葉を聞いた時何かが頭をよぎりました。

                  「あっ、星野さんやん!!」

                  星野さんとは中古時計の販売員をしていたころ少しだけ一緒に働かせて頂いた元同僚です。

                  その時星野さんは夢である宇宙ビジネスをやるための起業準備中で、そのお店でバイトとして働いてらっしゃいました。

                  散髪にもお金をかけれないからと年中坊主で、毎日自分でにぎったおにぎりを持参されていたことを覚えています。

                  私は、この星野さんに触発されて自分のお店を持つという夢に真っ向から向かい合う覚悟をしました。

                  バックパッカーで世界一周をした話、宇宙飛行士さんに合った話、NASAに行った話、起業の話・・

                  ユーモアを交えながら目をキラキラさせて話される姿は今でもとても印象に残っています。

                   

                  誠眼鏡店

                  *一番右が星野さん。出典 クリスクプラス。

                   

                  その数年後に中古のメガネ店を開いたと聞き連絡してみました。

                  私「メガネの中古店、あまりないからすごくいいアイデアですね!・・宇宙ビジネスはまだされてるんですか?」

                  星野さん「ありがとうございます。あっ、メガネも好きだけど宇宙ビジネスあきらめてないです。宇宙やるのにお金が必要だからメガネ店始めました。」

                   

                  誠眼鏡店

                  *誠眼鏡店銀座店 出典 誠眼鏡店公式サイト

                   

                  これは極端な例かもしれませんが、お仕事にはいろんな手段と目的があるはずです。

                  星野さんの場合は、目的が宇宙ビジネス・手段が中古メガネ店!

                  度肝抜かれました!!

                  この流れがあったので手段と目的の話しを聞いた時に星野さんを思い出したんですね。

                   

                  行動力とガッツにあふれた器の広いユニークな星野さんなので中古のメガネ店も大繁盛!!

                  新宿と銀座、香港とインドネシアにも支店を持たれ、ビジネスオーナーをやりながら今も夢を追いかけていらっしゃいます。

                  今日、記事に書かせていただこうと検索したら想像以上にビッグ!になってらっしゃってまたまた度肝抜かれました(+o+)

                  百聞は一見に如かず。とりあえず以下のサイトをご覧になってみてください。

                   

                  ■星野誠さんのホームページ:星野誠 未知との遭遇プロジェクト事務局 (株)銀河ヒッチハイカーズ

                  https://makoto-hoshino.com/profile/

                  星野さん、かっこ良すぎるやろー!!って思ってしまいました(笑)

                   

                  ■誠眼鏡店公式ホームページ:メガネを心から愛する方との素敵なご縁を心よりお待ちしております。 

                  https://www.makotoweb.com/

                   

                  ■ネット記事:行動を優先するとどんな人生になるのか…星野誠さんインタビュー

                  https://w-kawara.jp/others/makoto

                   

                  ■星野誠さんブログ:最新記事 小学1年の愛する娘、自ら一人マレーシアに短期留学か!

                  https://makoto-hoshino.com/blog/

                   

                  今も恐れることなく夢を追い続ける星野さん。長女さんのお名前も「夢」ちゃんですハート

                  手段と目的は別だということ、目的がいかに大事かということがこれでもかと言わんばかりに伝わってきます。

                  またこのことに気づかせてくださった時計好きのお客様にも感謝します。

                   

                  最後にちょっとだけ書かせていただくと、私の場合手段は時計の売買で、目的も時計を通したものとなります。

                  時計を通して楽しみや喜びは当然ながら、

                  自分に自信を持てたり、時間の大切さに改めて気付いたり、何かしらのポジティブなことを感じていただけると嬉しいです。

                  時計ひとつひとつにストーリーや歴史、個性、人生がありますから、それと自分とをもっとリンクできればもっと時計の価値や楽しみ、さらには時計と自分への愛着も増えるはずと考えます。

                  主人の目的は、150年続いた金子時計店を存続させること。

                  そのうちこのブログが『金子時計店5代目社長の奮闘記』(←ベタなタイトル^^;)に変わってるかもしれません?

                   

                  あなたの目的は何ですか?

                  | 金子時計店&ケイアイウォッチ | 時計について | 00:01 | comments(0) | - |
                  機械交換派ですか?オーバーホール派ですか?
                  0

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                    ツイッターもご覧頂きありがとうございますm(__)m

                    先週もいろいろ呟きました(//∇//)

                     

                     

                    先日、ウォッチメーカーの仕事はAIに取って代わられるのか というブログを書きました。

                    すると、ありがたいことに結構な反響をいただき、

                    ●時計師さんの仕事はなくならないと思います、

                    ●AIと共存するという考え方もありますよ、

                    といったご意見を頂きホクホクしておりましたところ、時計業界に精通する大先輩からメールが届きました。

                    そこには、私と主人とであーだこーだ言っても思いつかなかった内容と真実が書かれていました。

                     

                    『実際に一部スイスでは、新品機械はラインで組み立てられ、

                    ラインの検査からはじかれたものをウォッチメーカーが直すもしくは調整するといった流れができています。

                    そのラインにいるのはウォッチメーカーではなくオペレーターです。

                    その流れから考えられることは、修理においても機械の再生が可能になることによる機械交換。

                    ロボットが機械を再生してウォッチメーカーは文字盤と針付け、調整、防水検査だけやるようになるのではないだろうか。』

                    といったことが書かれていました。

                     

                    *当店のウォッチメーカーも申しておりました通り、文字盤や針付けまではロボットに難しいようですね。

                     

                    今も正直、オーバーホールといって機械交換されることはあります。

                    それは主に電波時計やキネティックやクォーツ時計に見られますが、機械式時計でもあることはあります。

                    ただ、これからAIが再生できる機械が増えたり、AIが再生できる機械しか搭載しないようになっていけば、もっと機械交換による対応が増えていくことが考えられます。

                     

                    ツイッターでいただいたコメントの中に、

                    『知らされずに機械交換されたくない、機械交換=心が入れ替わるで別人になってしまうのと同じだから。』

                    といったものがありました。

                     

                    時計の心臓部

                     

                    このお気持ちもよくわかります。

                    確かに、知らぬ間に時計の心臓部とも言える機械を入れ替えられて別人になって帰ってきたと考えると、ある意味ホラーで恐ろしいことだなと思いました。

                    特に古い時計がお好きな方に、オリジナル性にこだわられる方が多いのも似たような感覚だと思います。

                    新しければいいって問題じゃない。当時のまま引き継がれてきてこれから引き継いでいくことに意義がある。

                     

                    逆に、機械交換の方がいいとおっしゃる方もいらっしゃいます。

                    長く使うにあたって、できるだけ状態が良いものに交換できるときに交換しておくに越したことはない。

                    そのお考えも納得できますし、そう考えると時計にとっては実は一番最適な方法なのかもしれません。

                     

                    どちらが良くてどちらが悪いということはありません。お客様の受け取り方次第です。

                    機械交換とオーバーホール、どちらを好まれますか?

                     

                    いろんな意見をお聞きしてAIと絡めての個人的な理想は、ある方がおっしゃったように、時計修理におけるロボットとウォッチメーカーとの共存です。

                    時計修理での一番のネックが部品です。なので、ETAの評価が高い理由のひとつに部品入手のしやすさがあります。

                    では、部品がない場合はどうするのかというと、部品取りの時計からとったり、作ったりとなることが多いです。

                    簡単に作ると言いますが、高い技術力と工具が必要で誰でもできることではありません。

                     

                    例えば当店の提携先に2社、一千万クラスの工作機械が置いてあるのですが、誰でもそれを使えば作れるわけではなく、

                    まずその工作機械を使いこなせるようになるために訓練、テストを繰り返し、

                    その後にその機械を使って部品を作るための技術を時間かけて習得していきます。

                    部品製作と言えば一番に思いつくのが古い時計の天芯。

                     

                    時計天芯

                     

                    多くの需要があるにも関わらずこれも機器と訓練された技術が必要で、一から作れる方はほんの一握りと聞きます。

                    将来的にロボットがあらゆる部品を作る+ウォッチメーカーが修理するというパターンが一番理想的だなと思いました。

                     

                    どちらかがどちらかを潰すのではなく共存

                    きれいごとと言われるかもしれませんが、これが時計修理だけでなく他の仕事においても理想形と言えるのかもしれません。

                    | 金子時計店&ケイアイウォッチ | 時計について | 23:50 | comments(0) | - |
                    時計師になるための修行
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                      ツイッタのフォローありがとうございますにこにこ

                      ほぼ毎日何かしら時計に関することつぶやいてますのでよかったら見てみてください。

                       

                       

                      昨日ツイートを拝見していて私も時計修理技能士2級の国家資格を持っていることを思い出しました冷や汗

                      14年前、石原さんが都知事をされていた頃です。クォーツの分解掃除が技能試験でした。

                      今は修理は全くやっていません、というかできません泣く

                       

                      時計修理技能士

                       

                      主人はもちろん1級。当時はクォーツクロノグラフが技能試験の課題でした。

                      でも正直言って1級だから修理がうまいと言うわけではありません。

                      一定の基準のレベル以上にあるという証明にはなります。

                      資格がなくても技術が神レベルのウォッチメーカーさんはごまんといらっしゃいます。

                       

                      一人前のウォッチメーカーになるためには、他の技術のお仕事もそうだと思いますが、経験を積んで地道に技術と勘を磨いていくしかありません。

                      加えて、主人は特に古い時計を修理するためには「想像力」も必要だと言います。

                      新品の時はどんな状態だったのか、想像してそれにできるだけ近づける。

                      過去にどんな修理がされたのか、想像して過去の修理とバランスがとれた修理をする。

                      これからどんな動きをするのかどんな使われ方をするのか想像して、また壊れないように前もって使い方のアドバイスをしたり予防をする。

                       

                      ウォッチメーカーになるための修行には師匠の存在も大きく、師匠の影響を大きく受け、強いきずなで結ばれた師弟関係がある場合が多いです。

                      私の父は住み込みで修業しました。主人は会社で雇って頂き教わりながら勉強していきました。

                      終電の時間まで働き、土日も働き、年末年始も働き、残業代や休日出勤代はもちろんなしです。

                      それが5年くらい続きました。(今は問題になりそうな労働環境ですが、時効なのでスルーしてください冷や汗

                      その状況に対する不満や愚痴は一度も聞いたことがありません。

                       

                      今聞いてみると、技術が未熟で失敗したり数をあげれずに怒られたり、当然ながら大変なこともあったとポロっと話してくれました。

                      キドメネジの位置を間違えて?クライアントさんにボロクソに言われた時、クライアントさんの怒りを収めるために書いた反省文は今でも取ってあるそうです。

                       

                      結婚して金子時計店にくる時にその社長さんが、「うちが育てたウォッチメーカー」とおっしゃったことがとても印象的に残っています。

                      関西の社長さんなのでネタも入っているそうなんですが、雇う側の「こいつを育ててやろう。」という強い覚悟と信頼と、うちが一人前にしたという自負を感じました。

                      今もその社長さんは会社へ遊びに行くととても歓迎してくださいます。

                       

                      ウォッチメーカーさんたちが一人前になる過程を知ると、時計のオーバーホール代や修理代がなぜあの金額なのかよく理解できます。

                      なので外注さんのお修理代も値切ったことはありません冷や汗

                      ただ、どこまで手を施すのか、どれくらいでOKだすかの基準が時計師さんそれぞれ違いますのでその判断は必要です。

                      例えば中身がこんなになってた場合、どこまでサビをとってどの精度まで追い込むのか、機械だけではなく時計本体の洗浄やサビ取りもしっかりしてもらえるのか、それは時計師さん次第です。

                      うちのウォッチメーカーと外注先のウォッチメーカーさんは、「そこまでしたら割が合わないんじゃないんですか。」と思うくらいまでやらないと気がすみません。

                      むしろボロいほど燃える、いや萌えるそうです 笑

                       

                      時計の修理

                       

                      余談ですが、主人は美容室でいただくクーポンも毎回使えずに定価で払って帰ってきます。

                      たとえ頂いたクーポンでも、技術料を値引いてもらうのにとても抵抗があるのだそうです。

                      すみません、私は遠慮なく使わせていただいております苦笑い

                       

                      時計好きな方はこういった内容をご存知方も多く、時計の修理技術を高く評価頂けるのでとてもありがたいです。

                      もし万が一、周りに時計のオーバーホールや修理代って高いとおっしゃる方がいらっしゃったら、少しでもこんな話しをして頂けると幸いですありがとう

                      | 金子時計店&ケイアイウォッチ | 時計について | 00:08 | comments(2) | - |
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                      • セイコーとある時計店に関する記事を見て考えたこと。
                        カネゴン (05/14)
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                      • ガイヤの夜明け(高級時計戦争)を見ながら時計屋夫婦が話したこと。
                        カネゴン (05/02)
                      • ガイヤの夜明け(高級時計戦争)を見ながら時計屋夫婦が話したこと。
                        とんぬら (04/29)
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