小さな時計屋のアラフォー女性店長 金子のブログ

マニアックな中古時計・アンティークウォッチの買取・販売・修理のお店ケイアイウォッチ&金子時計店。
時計のYoutube動画を始めました。
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    今年1月の新年の抱負↓に書きました通り、時計のYoutube動画を始めました。

    私が有言実行って珍しいです(苦笑)。それくらい動画やってみたかったんですね。

     

    やっぱり時計は動いてるものですから、何か説明するにしても文章と写真だけより動画の方が分かりやすいからです。

    これからもっと幅広い内容で時計ついてお話しできるかと思うと、アレもコレもとワクワクしています。

    毎週半ばにブログ更新、週末に動画更新の予定です。

     

     

    とゆうのは強がりで、

    正直、かなりのビビりなので動画をアップする指が震えこれを書いている今もドキドキが止まりません。

    先日、顔出しYoutubeされている知り合いから、コメント欄に書かれた内容を聞き恐怖で固まりました(大汗)

    が、時計をお好きな方たちは紳士な方が多いので、それはあまりないかなと立ち直りました(笑)

     

    第一回目は短い内容なのでさらっと隙間時間にみて頂けると嬉しいです。

    さらに申しますと、チャンネル登録もして頂ければ幸いです(^人^)

     

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    | 金子時計店&ケイアイウォッチ | 時計屋について | 18:25 | comments(0) | - |
    セイコーの古いカタログの楽しみ方。
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      規模は小さくても時計屋ですから、時計に関する資料はそれなりに揃えています。

      中でも一番使うのがセイコーのカタログです。1974年から2016年まであります。

      それ以前のカタログはオークションで3万以上するので買えそうにありません(泣)

       

       

       

      特に古いセイコーのカタログは最近のと形式が違ったり

      当時しかないような内容があったりして見ているだけでテンション上がります♫

       

      *1974年カタログより。

      61VFAが11万!

      定価を見て驚いたり、当時どんなバンドがついていたとか

      文字盤のバリエーションどんなのがあったとか・・見るポイントはいろいろあります。

       

       

      *1977年カタログより。

      56系ロードマチックは文字盤やブレスの仕様が多いです。

       

      *1978年のカタログより。

      元々ステンレスベルト仕様のものは、社外でも似たようなバンドをつけたりするのもいいですね。

       

      スペックに書かれている文字の説明も。

       

       

       

      このような実用的な情報以外、イメージ画像や巻末の説明部分も見てて楽しいです。

       

      *1977年カタログより。ラジカセ?

       

      *1979年カタログより。ワープロ?

       

      個人的には巻末あたりの昭和感満載の写真やイラストに萌えます(笑)

       

       

      ↓イラストがかわいすぎます。

       

       

      とは言っても、「持ってないし見る機会ないよ〜」と思われた方!

      今日たまたまこのブログの準備をしていたらこのサイトが紹介されたツイートを拝見しました。

       

       

      https://www.watchhunter.org/watch-catalog-reference-library/seiko-watch-catalog-pdf-library 

       

      海外のサイトで、1974年から1998年のセイコーカタログがPDFにして掲載されています。

      容量が多くてファイルが重いですが、見放題です。

      あまり見すぎるといろいろ欲しくなりそうですから、見過ぎにはご注意ください(笑)

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      | 金子時計店&ケイアイウォッチ | ちょっと脱線 | 20:42 | comments(0) | - |
      ガイヤの夜明け(高級時計戦争)を見ながら時計屋夫婦が話したこと。
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        4月24日に放送されたガイヤの夜明け、セイコーとウブロの特集をご覧になった方は多いと思います。

        僭越ながら、私たちなりに考えたことや思ったことを書いてみたくなりました。

         

         

        まず紹介されたセイコーミュージアムに展示されているローレルオリジナル。

        これは、2000年にヒストリカルコレクションとして、人気の4S手巻きキャリバーを搭載して限定1000本の復刻↓が発売されました。

        最近は単価を高くするためか、復刻と言えばGSやダイバーがほとんどですが、こうゆう復刻もまた是非だして頂きたいです。

         

        今は、このローレルを意識したプレサージュならでていますね。

         

        ウブロのマーケティング。

        その国でメジャーなスポーツの選手を起用します。

        ヨーロッパではサッカー、日本では野球なので今はこのお二人。

         

         

        次に舞台は、セイコー雫石とスイスウブロの工房。

        ご覧の通りスイスは時計技術者さんたちが平均的に若めでカジュアルで

        スイス有名メーカーのスイス研修に行かれた先輩方のお話しを思い出しました。

         

        日本の時計技術者さんといえば、ほとんどが男性で営業さんみたいに清潔感のある外見でピシッとされているイメージですが

        スイスでは女性も多く、髪の毛がパンクロッカーみたいに爆発していたり、耳中ピアスだらけとかも普通にありえるとおっしゃっていました。

        ウブロの工房ではそのよう方は映っていませんでしたが

        イヤホンで何か聴きながら仕事されている姿に、日本にはないカジュアル感がでてるなぁと思いました。

         

         

        セイコーの工房。

         

        このシーン。

        デザイナーさんと技術者さんが「初めまして。」とおっしゃっていたのがすごく意外でした。

        同じ時計を作り上げるのに、顔を合わさずの意見交換はあったのかもしれませんが

        私だったら、どちらの立場だったとしても、もっと早い段階から実際に会っておきたいなと...だって330万!の時計ですし。

         

        主人は、テンプが太いのと、女性技術者さんのピンセットが太いのが気になってました。

         

         

        高級時計のテンプはだいたい細めでスッキリしていて、太いと中級機や普及機のような印象を与えることがあります。

        さらに言えば、セイコーのこのテンプの色が高級機械に比べると若干安っぽく見えてしまうのでもったい気がします。

         

         

         

        上がベテラン技術者さんのピンセット、下が工藤さんのピンセット。

        ベテラン技術者さんのピンセットの方が細く、実際に先が細い方がやりやすいです。

        技術者さんはだいたい既成のピンセットの先を自分がやりやすいように加工されています。

         

         

        机に測定器が計5台あるのも目につきました。

        奥にあるワイン色の機器がそれで、機械の状態を数値で確認します。

        だいたい一人一台です。ちなみに一台30万以上します。

         

        工藤さんの時計は、セイコールキアの自動巻き。2本お持ちのようです。

         

         

        そしてセイコーの偽物。

         

         

        江口さんは、比べても表側からはほとんど分からないとおっしゃっていましたが、結構分かります^^;

        まず仕上げが全然違っていて、本物はヘアラインとポリッシュのコンビですが、偽物は全面ヘアライン。

        仕上げも丸みを帯びていてシャープさがありません。

        次にリューズ。波々した凹凸のある加工が偽物は浅くボヤッとしています。

        お客様の中にも、オークションで買ったセイコーが偽物だったとおっしゃっる方がいらっしゃいます、お気をつけ下さい。

         

        私たち時計屋夫婦は、ガイヤの夜明けを見ながらこんなことを話していました。

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        ツイッター登録ありがとうございます!

        ピンポイントですが、たまにこんなお役立ち情報も投稿したりします。

        まだご覧になられてない方は是非登録お願いします(^^)

        https://twitter.com/ki_watch

         

         

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        | 金子時計店&ケイアイウォッチ | 時計について | 23:30 | comments(2) | - |
        時計職人になるために、神田川の歌詞を体現した当店の技術者。
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          昨日から時計の仕入れで東京に来ています。

          東京と言えば最近また思い出したことがあります。

           

          今から15年ほど前。

          当店の技術者は時計職人になるために、奈良から東京へ出てきて時計学校へ通い始めました。

          彼の母親は公務員で安定志向、機械好きの長男にはトヨタの技術者になって欲しかったそうです。

          それが突然、時計職人になると言い出したもので当然大反対されました。

          説得の結果、高専を卒業したら行ってもいいと言ってもらい、一年休学しながらも約束通り卒業しました。

          時計学校の学費は出してくれましたが、家庭の事情で生活費の仕送りはゼロでした。

          学校は全日制のため、夜と休日のわずかなアルバイト代で家賃から食費まで全てまかないました。

           

          一番に切り詰めたのが家賃。

          今もあるのか分かりませんが、風呂無しの四畳一間の古いアパートに住んでいました。

          もちろんエアコンもなし。風呂無しなので毎晩近くの銭湯に通う日々。

          銭湯に間に合わなかった日は、台所の蛇口で頭を洗うと恥ずかしそうに言っていました。

          食費は、必ずまかない飯がある飲食店でアルバイトして節約しました。

           

           

          場所は井の頭線 富士見ヶ丘駅近く。

          近くには神田川が流れていて、その川沿いを歩いて銭湯に通ってました。

           

           

          二人で行った 横町の風呂屋
          一緒に出ようねって 言ったのに
          いつも私が 待たされた
          洗い髪が芯まで 冷えて
          小さな石鹸 カタカタ鳴った

          窓の下には 神田川
          三畳一間の 小さな下宿

          *神田川の歌詞より

           

           

          もちろん時代は平成です。

          彼は当時「俺、リアル神田川の世界やんか〜。」と言って笑っていました。

          なんて強い人なんだろうと思いました。

          自分の夢のために心折れずにここまでできる人は、このご時世あまりいないんじゃないかと。

           

          「そこまで頑張って職人になったのに、田舎の時計屋やる?」

          と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

          少なくとも当時は、時計学校を卒業したら、大手時計メーカーのサービスセンターに就職したいとゆう学生さんばかりでした。

          しかし、彼の夢は「小さな時計屋の店主になること。」でした。

          その後、いろんな時計を扱う修理会社さんに就職し→過去ブログ:時計師になるための修行

          こうやって金子時計店&ケイアイウォッチを一緒に運営してくれています。

          時計技術者になる夢も叶い、時計屋の店主もいづれ叶いそうです。金子時計店の店主として。

           

          彼はあの生活があったので、シャワーがある家に住めれば生きてるだけで幸せと言い、物やお金に執着もありません。

          「できた!」とオーバーホールや修理が完成した時の笑顔が一番嬉しそうで、私もその顔を見るたびに私も嬉しくなります。

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          | 金子時計店&ケイアイウォッチ | ちょっと脱線 | 09:00 | comments(2) | - |
          昨年オーバーホールされているのに一日5分進む時計の修理実況。
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            入荷した時計の中に、ワインダーで回しながらランニングテストしたら一日5分進むものがありました。


            昨年オーバーホールされた時計のようで、油はたっぷり入っています。

            オーバーホールされていると、だいたい↓このように年日と技術者さんのサインが入っています。

            ペンでサインする方と、薄く掘る方といらっしゃいます。

             

             

            進む状態での数値。機械はETA2824-2です。

            正常値からかなり離れており数値だけ見ると重症です。

             

            1.精度(左上:日差-52秒. 正常値だいたい+10秒〜15秒くらい。)

            2.振角(その横:111°. 正常値:300°弱くらい)

            3.振動数(左上下:29023. 正常値28800)

            精度を示す点線もバラバラ、正常だと緩やかに右上に向かう線状になります。

             

            時計は動いているのに不具合がでるのは、ヒゲゼンマイに問題があることが多いので真っ先にヒゲゼンマイの確認。

            一番多いのは、ヒゲゼンマイがヒゲ持ちに引っかかって時間が進むですが、

            今回は、引っかかりはなくヒゲゼンマイが歪んでいました。

             

            ヒゲゼンマイが歪んでいるのにも、いくつか原因があります。

             

            (まず初めに、見えないゴミの可能性を少しでも減らすために、ひとまずここで機械を取り出して時計本体の洗浄を行います。)

             

            1.磁気帯び?

            磁気を帯びるとヒゲゼンマイがくっつくことがあり歪んでしまいます。

            この装置で磁気抜きをします。

             

            数値は変わりませんでした。

             

            2.注された油が流れてる?

            この時計の場合、全体的に油が多めに注されており、爪石に乗っかるくらいの油と、地板にはみでるくらいの油が入っていました。

            その油が回りまわってヒゲゼンマイに影響しているのではないかと考えました。

            技術者さんによっては、わざと多目に注すこともあり普通はほとんど問題ありません。

            ただ、あくまでも技術者の推測ですが

            ブランドによっては部品の表面にコーティングされているのかもしれない

            そうゆう機械は油が多いと流れだすのではないか...?とゆうことで、溢れている油を取り除きます。

             

            数値は変わりません。

             

            3.ヒゲゼンマイ自体が歪んでいる。

            「ヒゲ直すわ。」

             

            ヒゲゼンマイが磁気帯びでくっついているわけでもなく、油でくっついているわけでもなければ、ヒゲゼンマイ自体が歪んでいるとゆうことで、ヒゲゼンマイを直接いじって修正します。

            書くと簡単ですが、ヒゲゼンマイの調整には結構な訓練と経験が必要です。

            ヒゲゼンマイが歪む原因はたいがい衝撃です。

            耐磁や耐衝撃性のある一部の時計を除き、機械式時計は磁気や衝撃にも気をつけましょうと言われるのは、例えばこうゆうことが起こるからです。


            ...数分後「できた。」

            淡々と直してくれました。測定器の数値も完璧です。

             

            今のところ実測日差もプラス13秒くらいで動いています(^_-)


            *この時計は昨年オーバーホールされていましたので、オーバーホールはせずに部分修理となりましたが

            オーバーホールされてない場合は、オーバーホール込みの修理となることが多いです。

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            | 金子時計店&ケイアイウォッチ | 時計について | 23:32 | comments(0) | - |
            シチズン修理不可の古い時計でも諦めないで下さい。
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              先日ツイッターでこの時計の投稿を見て思い出しました。

               

               

              アバロン、スーパーカレンダー。このシリーズはシチズンで修理不可です。

              以前、ダメ元でシチズンに問い合わせしたことがあります。

              図々しくも、カンパノラと機械が共通のようですがオーバーホールは不可でしょうか...と聞いてみましたところ、

              「カンパノラに使用している内装部品の歯車は仕様が違い(針の取り付け位置の高さ)互換性がありませんでした。」

              ご丁寧にご回答頂きました。

               

              *シチズン公式サイトより。

               

               

              基本的に、国産ブランドは修理不可モデルや修理金額をわかりやすく提示されています。

              シチズンも定価ベースで修理代が決まっています。

              古いモデルはプラスアルファになります。

              送る前からだいたいの金額がわかり、キャンセル料もかからないのは大変助かりますし、好感が持てます。

               

              シチズンの公式修理情報

              http://citizen.jp/support/repair/pdf/impossible.pdf  (修理不可な時計の情報)

              http://citizen.jp/support/repair/index.html (ランク別修理料金表)

               

               

               

              古いシチズンの時計や、この表で修理不可のモデルでも諦めないでください。

              シチズン公認の、シチズン修理不可モデルを専門で修理されている会社があります。

              会社名はクラッチさん→ http://clutch-watchrepair.com/

              シチズンのカスタマーサービスの方が教えてくださいました。

              シチズンのOBさんがされていて、シチズンの時計のみ受け付けされる修理会社さんです。

               

               

              こちらでも修理不可の時計があります⇓

              しかし、これ以外の時計は直してもらえる可能性があると思うと頼もしいです。

               

               

              上記のアバロンのように、たとえシチズン修理不可でも諦めるにはもったいない時計がたくさんあります。

              諦められないシチズンの時計、ぜひ相談なさってみてください(^^)

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              | 金子時計店&ケイアイウォッチ | 時計について | 23:22 | comments(0) | - |
              2代目、3代目が事業を潰す?
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                金子時計店のような個人店はもちろん、大手の会社でも世襲制のところは結構あるようで、

                セイコーも同族の方が社長や会長になられることが多いですし、スイスやドイツの時計業界でも見られます。

                (前回の時計ケースメーカーイックラー社や、デュボワデポラなど。)

                私が働いていた大手の時計店や、中古店も世襲で、創業者さんの息子さんが社長でされていましたし、

                取引先の修理会社さんや、お客様の会社も息子さんが跡を継ぐお話しをよく聞きます。

                 

                 

                世襲制ではよく2代目もしくは3代目が潰すと言われますが、金子時計店も例外ではありませんでした。

                その理由はさまざま挙げられますが、私が見てきた限りで申しますと、

                先代の創業者さんはものすごくエネルギッシュで頭が切れる方が多く(そうでないと創業して軌道にのせれませんものね)

                目を光らせて2代目さんを厳しく指導、教育され、2代目さんは道を外すことは少ないのだと思います。

                となると危ないのは3代目?

                中でも、2代目が傾け3代目が潰すとも言われる通り、金子時計店のピンチも3代目の時でした。

                私の祖父母がやっていたときです。

                 

                金子時計店の2代目は前妻の間に2人息子がいましたが、一人は戦死。

                一人は後妻さんと合わずグレてしまい家を出られました。

                祖母のお葬式に静岡からお見えになり、祖母によくしてもらったと涙ぐまれた姿が印象的でした。

                その方とお会いするのはそれが最初で最後となってしまいました。

                 

                 

                2代目は、実の子を後継ぎにできなかったため、3代目として養子をもらいました。

                それが私の祖父です。なので正確に申しますと、金子時計店の創業者の血は早くも2代目で途切れています。

                2代目に祖父は非常に厳しく指導され、お酒も休みも一切なしで修業しました。

                その奥様も厳格な方で、奥様と祖母の間にはこんなエピソードがあります→金子時計店の嫁の厳しすぎる選定

                そのおかげで2代目と3代目見習いは結構な資産を築きました。

                私の祖母は、銀行の利子で長男と次男(父の兄)を東京の大学に行かせたと言っていました。

                 

                ピンチが訪れたのは、お察しの通り2代目ご夫妻がお亡くなりになった後。

                実はお酒も女性も遊び大好きだった祖父が、反動で夜遊びしまくったのです。

                お金もあるし、うるさく言われることもなくなって、夜な夜な山鹿(福岡県よりの熊本)へ芸者遊びに行くようになり、

                手持ちがなくなればタクシーで山鹿から取りに戻ってきたんだとか。ありえないくらいバブリーです。

                そして仕事もあまりしなくなり、数千万の借金を作りました。

                好きなだけ遊びまくった祖父ですが、

                祖母は亡くなる直前に、「やっぱり千代子が一番よか。」と祖父が戻ってきたことが一番嬉しかったと言っていました。

                包容力と祖父への愛が半端ないと思いました。

                 

                私の父が4代目となり祖父が作った数千万の借金を完済しました。

                「あなたのお母さんは、あの家にはお金があるはずと思ってお嫁にきたのが、逆に数千万の借金があってびーっくりしとったよ。」

                と祖母から聞いたことでその事実を知りました。

                父と母は、ひたすら働いて黙って借金を返したわけですが

                両親はその件に全く言及せず、文句も不満も愚痴も一切聞いたことがありません。

                一度だけ、借金返済に間に合わず母の父に頭を下げお金を貸してもらったことがあると言っていましたが、

                兄弟にも断られるくらいの頼みごとを、母の父はすんなり受け入れてくれた=母の父の人間性がそれほど素晴らしかった

                という話でしたから、借金の苦労話しは一度も聞いたことがないことになります。

                 

                私はというと、引退後の祖父しか知りませんから生活の世話をしてくれた祖父には感謝しておりますし、

                借金を返済してひたすら金子時計店を守ってきた父母を心から尊敬しています。

                3代目が潰すの呪縛がないので、3代目ではなく5代目でよかった〜とも思います(冗談です 笑)

                 

                | 金子時計店&ケイアイウォッチ | 時計屋について | 21:19 | comments(0) | - |
                お客様にお借りした時計と、同じお客様から買取した時計
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                  お客様に教えて頂いた時計に興味を持ちお話ししていたら

                  「お貸ししましょうか?」とおっしゃって頂いたので図々しくも送って頂きました。

                  ありがとうございます!

                   

                  その時計は「DEFAKTO」

                  お察しの通りドイツ時計です。ドイツ時計の特徴がグッと詰まっています。

                   

                   

                  実際に手にした時の第一印象は時計本体のケースの作りが良いこと。

                  「画像で見るよりケースがずっしりしっかりしてる!」でした。

                   

                  それもそのはず、調べてみるとDEFAKTOのオーナー兼製作者はドイツのケースメーカーイックラー社の4代目でした。

                  彼のお名前も「ラファエル イックラー」さん。

                  1924年にドイツで時計ケースメーカーとして始まったイックラー社は家族経営で今彼のお父様が3代目として経営されています。

                  日本では、イックラー社の時計ブランド「リメス」がよく知られており

                  もう少しマニアックにいくと「アルキメデ」もイックラー社の時計ブランドです。

                  ドイツ時計ブランドは、SUG社かイックラー社どちらかのケースを使っていると言われています。

                   

                  文字盤はいわゆる引き算の美学。

                  ドイツの言葉weniger aber besser」 =より少なく、しかしより良くを体現しています。

                   

                  機械は自動巻きだとETA2824かミヨタ9015、クォーツはロンダが入っています。

                  ETAでも定価は85,000円くらいです。すごく良心的です。

                   

                  DEFAKTO社は、ほぼ彼一人で運営されています。たまに2歳の娘さんが手伝ってくれるんだとか(笑)

                  デザイン、仕上げ、組み立て、防水検査、精度チェック、配送、お客様サービスなど全て彼が行なっています。

                  そのため、一点一点に思い入れがあると言っています。

                  私は彼を見たとき、第二のシャウアーだと思いました。

                   

                   

                   

                   

                   

                  自動巻きの裏蓋は基本裏スケですが、このお客様は普通の裏蓋に替えて頂いたそうです。

                  個々の要望に柔軟に対応してもらえるのも小さなメーカーの良さでもあります。

                  メッセージ「There is always light behind the clouds.」(意訳:止まない雨はない)が印象的です。

                  裏蓋に名言を掘るっていいアイデアです。

                   

                  彼のインタビュー記事で可笑しかったのが、彼が作った時計を見てお祖母様が

                  「もうみんな時計持ってるのに、誰がこの時計要るの?」

                  とおっしゃって、彼は全ての人を喜ばせることはできないんだと悟ったんだそう(苦笑)

                  私もケイアイウォッチを始める時、ホームページを作っていたら母に言われました。

                  「誰もそんなに時計買わんよ、そげん売れんよ。」

                  一族に一人は否定的な(よく言えば現実的?)な人がいるようです。

                   

                  全部で7種類、最近流行りのブロンズケース仕様もあります。

                  おもしろいのは全ての時計日付なし、さらにINKOGNITOという、ロゴなしバージョンがそれぞれのモデルにあることです。

                  7種類とも、ロゴありかロゴなしか選べます。

                   

                   

                   

                   

                  数年前代理店がついたこともあるようですが、今は日本に輸入されていません。

                  代理店がついて、日本に輸入される日が待ち遠しいです。

                   

                  https://www.defakto-watches.com/

                   

                  そして今週このお客様に売却頂いた時計もまた珍しいものでした。

                  珍しい時計ばかりお持ちのお客様です。こちらは、スイス製のヤンターとゆう時計です。

                   

                   

                  確か建築士かデザイナーであるローランド ケラー氏によって設立されたブランドで、1998年〜2004年まで作られました。

                  全てのヤンターブランドの時計は、12時位置に12、6時位置に24があるGMT表示です。

                  TiCTaCが当時輸入していました。

                   

                  特にスイスやドイツには日本に入ってきていないブランドや、私たちが知らない時計がまだたくさんあります。

                  なので、20代前半ピチピチだった頃の夢は「時計の輸入業」でした。

                  *雑誌ドイツ腕時計 2017年10月発行より

                  DEFAKTOもちゃんと載っています(^^)

                  ここ最近、ショップ制の普及や、時計ブランドの日本法人設立が増えたことにより

                  問屋さんや輸入代理店の中には、新しく取り扱う日本未入荷のブランドを探してらっしゃる所も増えています。

                  これからどんな魅力的な時計が入ってくるのか楽しみです。

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                  | 金子時計店&ケイアイウォッチ | 時計について | 23:32 | comments(2) | - |
                  時計の振り当たりってなん?
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                    まずひとつ過去記事の内容で訂正があります。

                    ETA28**系クロノグラフっていろいろどう違うの?〜2階建てクロノとETA2894-2)〜

                    ETA公式サイトでETA2894-2(自動巻きクロノグラフ)は分解しないように書かれていると申しましたが、

                    正確にはETA公式の展開図があり、おそらくETAのトレーニングを受けた方のみ分解してよいとなっているようです。

                    主人の先輩のベテラン時計師さんが展開図を下さいました。

                    ありがとうございます!

                     

                     

                    クロードメイランのバーゼル新作を見た時の私たち夫婦の会話。

                    (ちなみに、ペーターバージョンもありました)

                     

                     

                    私「振り幅が大きすぎて振り当たりしそうやん!」

                    時計師の主人「うまい!」

                    とゆうことでそれ以来、振り当たりについて書きたくなりうずうずしていました。

                    機械式時計は、一つのパーツ一つの現象について、それぞれひと記事書けるくらい奥が深いものです。

                     

                    振り当たりとは、テンプの振り幅が大きすぎるために、振り石がアンクルの反対側にあたってしまい時計が異常に進む現象です。

                    下の動画の22秒辺りにでてくる半月状のものが振り石で

                    通常は振子のように戻ってきますが、振り当たりするとそれがほぼ一周回って反対側のアンクルに当たります。

                    写真で言うとこの石です。

                     

                     

                    振り当たりは英語で KnockingやAmplitude Attackと言いますが

                    ノックやアタックとゆう言葉が、振り石がアンクルに当たる物理的な‘コツン’や‘カツン’を的確に表していて分かりやすいなと思いました。

                     

                     

                    振り当たりでなぜ時計が進むかとゆうと、普通はゼンマイの力でテンプが動くところを

                    振り当たりすると振り石がアンクルの反対側に当たった反作用でテンプが動くことにより、勢いよく早く動くためです。

                    測定器で見ると振り角が360°近くでていたり、

                    精度を示す線が安定しないとか、測定器のマイクをオンにすると不規則な音がしたりします。

                     

                     

                    振り当たりは、基本的に爪石(下画像の赤い細長い部品)を少し出すことで直ります。出しすぎると時計が止まります。

                    1/100ミリ単位で調整します。そのため爪石調整器はマイクロメーターです。しかしそこは主に勘と経験が頼りです。

                     

                     

                    ではなぜそもそも振り当たりが起こるのか。

                    衝撃で爪石がわずかに引っ込んでしまったり、ガンギ車(四角い爪石が当たる部分)の磨耗、油具合などが原因です。

                    ゼンマイのトルクが強すぎる場合もありますが、使っていていつの間にか振り当たりによる進みがでた場合はほぼ爪石が原因です。

                     

                    昔の時計より今の時計の方が振り当たりしやすいと言われているのは

                    一般的に部品の切削機器や洗浄機、時計用油の性質が良くなることで摩擦や抵抗が減ったためと聞きました。

                     

                    また、機械によっても振り当たりしやすい、しにくいがあります。

                    身近なところで挙げますと、ETA2892系やETA7750系は振り当たりしやすく

                    それは振りがでやすいように=精度がでやすいように爪石とガンギの噛み合いがもともと浅めにセットされているためです。

                    主人は、スイスでは適切な油でも、スイスより暖かくなりやすい日本では

                    粘り気がなくなって軽い力でも動くからかもしれないとも言っています。

                     

                    逆に、ロレックスの爪石は深めにセットされていて振り角は大きくでません。

                    それは振りの大きさよりも、振り当たりや爪石がガンギを一瞬滑ったりする

                    ちょっとしたトラブルを防ぎ確実な動きを優先させるためと考えられます。

                     

                    次はどの症状、もしくは部品について書いてみようか迷っています。

                    何かリクエストありましたら、ブログのコメントやツイッターのコメントでお知らせくださいにこにこ

                     

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                    | 金子時計店&ケイアイウォッチ | 時計について | 23:23 | comments(0) | - |
                    あまのじゃくが選ぶ新作ダイバーウォッチ。
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                      ノモスやエポス、オーガストレイモド、レビュートーメン、

                      オリエントなどのマニアックな時計、セイコーやオメガなどの

                      アンティークウォッチの買取が一番の喜びです。

                       

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                      タイトルのあまのじゃくとは私のことです。

                       

                      今年のバーゼル情報で一番の話題はもちろん、ジュビリーブレスのGMTマスター。

                      スポーツモデルにステンレスのジュビリーブレスがつくのは初めて?でしょうから世界中の注目を集めました。

                      次はチュードルのブラックベイ。

                      話題になったGMTマスターのベゼルと同じペプシなのでこちらにも目がいくのも当然です。

                       

                      同じくらい見かけたのがGS VFAや七宝文字盤のプレザージュ、

                      それからプレミアがつくこともあるセイコーのダイバーシリーズ。

                      今年は1960年代の300メートルダイバーの復刻です。

                       

                      そうそうたるメンバーをスルーして(苦笑)

                      バーゼル新作の本格ダイバウォッチやカラーベゼルのモデルの中で、

                      私が一番興味を持ったものはブローバの復刻シリーズ、オーシャノグラファーです。

                      オーシャノグラファーとは海洋学者という意味です。

                       

                      上の赤黒ベゼルが自動巻きで795ドル、実は安さにつられて詳細を見たわけですが

                      価格だけではなく作られた経緯やデザイン、デビルダイバーとゆうニックネームなど

                      他にも惹き寄せるポイントがいくつかありはまって調べてしまいました。

                       

                      ブローバとシチズンが密接な関係であることもブローバを推したくなる理由のひとつです。

                      2008年にシチズンがアメリカのブローバ社を買収したのは有名な話しですが

                      シチズンは1960年代もブローバ社と提携してブローバの音叉機械を入れたハイソニックとゆうモデルを販売しています。

                      正確には特許を買ってシチズンで製作されたらしいですが、ブローバ社の音叉機械は国内の業界にも大きなインパクトを与えたはずです。

                       

                      2015年にブローバが復刻シリーズを企画してからオレンジ色のダイバーが3本目、赤黒ベゼルが4本目となりました。

                      どちらもアメリカのアンティーク時計店 アナログシフトとブローバ社が提携し製作されました。

                      まず時計ブランドと、アンティーク時計店が対等に提携してダブルネームでだすとゆうのに軽く驚きました。

                      日本でいったら銀座のCTIさんとセイコーが提携して販売するみたいな感じでしょうか?

                       

                      このオーシャノグラファーの復刻は、時計好きの方たちによる投票によって決まりました。

                      この3本の中から、ホームページで投票する形で行われました。

                       

                      欧米ではユーザーさんたちの好みや意見を積極的に取り入れる動きが見られるようになり

                      以前の記事で書いたオメガのスピーディチューズデーもそうですし、

                      今回のクロードメイランのアニメ文字盤 Made for Japan もその流れかと私は見ています。

                      国産ブランドもこうゆう企画があるとユーザーさんたちに今までと違った楽しみを提供できるだけでなく

                      話題にもなるでしょうから、時計にそれほど興味がない方たちに見てもらえる機会になるのではないかなと思います。

                       

                      デビルダイバーとゆうニックネームもキャッチーで、

                      「なんでデビル?」とメーカーの思惑通りの疑問がわき興味をもつきっかけとなりました

                      文字盤の666フィート(約200メートル)の666、

                      聖書に書かれていることが所以で、666とゆう数字が欧米では悪魔の数字と言われているためデビルダイバーなんだそうです。

                      普通は660と書かれているところを、あえて666にすることで大人の遊び心や好奇心をくすぐります。

                      もちろんオリジナルもこの表記です。

                       

                      アメリカでは、ニューヨークのエンパイアステートビルにある本社で一連の復刻シリーズが見れるそうです。

                      日本では、銀座シックスにシチズングループの展示販売店がありますので、並べられる頃東京に行ったら実物を見に行こうと思っています。

                       

                      ●赤黒ベゼル:オリジナルは1972年発売。44ミリ。ミヨタ製自動巻き。795ドル。

                      ●オレンジ文字盤:40ミリ(オリジナルと同じ)。セリタ製自動巻き。1495ドル。666本限定。

                       

                      最後に、この時計は私が個人的に抱いていたミヨタへの偏見をなくしてくれて、時計への新しい価値感を与えてくれました。

                      正直、今までは「あー、ミヨタかぁ。」とゆう反応をしていましたが

                      今回の反応は「安い理由はこれか!でもミヨタでも全然いいやん!」で...

                      時計の作り云々ではなく、ワクワクする企画や遊び心のある意匠にお金を払う価値がある、と思えた時計でした。

                       

                      *ツイッターフォローありがとうございます!

                      最近、ツイッターも楽しみにしていますと言っていただけることが増え大変嬉しいです。

                      だいたい2日に一回くらい呟いてます→ツイッター金子時計店@小さな時計やの女性店長

                       

                       

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